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ファンタジーの英文

簡易なのは、米語ならオズシリーズ、英語ならナルニアシリーズあたり。日本での低学年向けに相当。プーは、This is thatみたいな女王英語的表現が、非英語人にはわかりづらい。ホビットはやや難しいが、指輪物語 (モルドールへ近づくほどより古語的になっていき、英米人でも辞書無しには読めない) ほどでは無い。ゲド戦記は典型的な戦後アメリカ文学の文体で、日本での中学生向けに相当。戦前のアメリカ文学はイギリス文学への劣等感から、語彙が豊富なほど良いとされがちだったが、戦後は米語が世界語になる過程でプレインイングリッシュすなわち簡明なほど良いとなって、ただし多国籍的性格ゆえにロマンス語系語彙がやや多め。イギリス英語もこの影響で同一化しつつあるようだが、それは米国さらには米語圏が書籍の市場として巨大なためもある。

映画版指輪物語について

映画版指輪物語が、ヘルム峡谷の戦いまでの出来が非常に良いのは、アニメ版という前例の存在が大きい。しかし、かような前例無きそれ以降は、急速にスケール感がしぼんでしまっている。ミナスティリス包囲戦は、サウロンによって作られた「終わりなき闇夜」の中で、広さも「戦場の霧」の如き不明さで原作では進行し、さながらスターリングラード包囲戦 (を筆頭とする独ソ戦) ファンタジーバージョンのようなスケール感に満たされているが、映画版ではあまりに明る過ぎまた戦場がしぼみ過ぎて、スケール感がヘルム峡谷の戦いより小規模に感じられてしまう (映画版は原作準拠率が非常に高いので、「王の帰還」のみ、映画版の後で小説版を読めばこの「差異」は容易に埋め得よう)。